人間っていいな
スターダストでいこうさん 作
プロローグ
英雄とは何なのだろうか?
正義とは何なのだろうか?
そう考える人は、あまり多くない。
今の世界に、正義という存在はあるのだろうか?
人は、それに気付かぬまま還るべき場所へと還っていく。
もしかしたら、人に『感情』なんて物は本当は無いのかもしれない。
ある人は言う。「目的のないスーパーマンは、ただの『兵器』にしか過ぎない」
またある人は言う。「偽善者をヒーローと呼ぶんじゃないの?」
またある人は「正義だけがヒーローじゃないだろ。」と言う。
またある人は話す。「結局正義だって、言い換えれば悪じゃないか」
またある人は呟く。「人助けなんて、気紛れだよ」
第一話 糸の無いマリオネット
22世紀 日本
静かな月が照らす静寂の夜
そんな時夜道を走る一人の少女がいた。
肩ぐらいまで伸びたこげ茶色の毛に、グリーンベレーをかぶっている。(軍隊のことじゃないよ)
年は、17か18ぐらいだろう。
彼女は、少し泣いていた。
「ハァ・・ハァ・・・な、なんでこんな目に・・・・。」
私はルナ・マーキュリー。
私は昨日ここに引っ越してきた。ここは通称『法律の街』と呼ばれる東京
朝昼は事件が起きる可能性はゼロ。
だが夜はそうもいかなかったらしい。帰り道に突然男に追っかけられている。
家に帰りたくてもこれではとても無理だ。
「うわっ!前にも一人いるー!!」
渾身の力で足にブレーキをかけ、なんとか勢いを止めた。
しかしそのせいで足のバランスを崩してしまい、倒れこんでしまった。
まずい、と思って立ち上がろうとしたがその時にはもう前の男が目の前まで来ていた。
もうダメだ、と思った時とても奇妙なことが起きた。
一瞬、前の男の上に人影が見えたと思った瞬間の出来事だった。
なんと目の前の男が真っ二つになってしまったのだ。
ズバシャッ
「げえっ、真っ二つに!やばい血が止まらない!!」
事態の収拾がつかず、ルナは混乱していた。
そんな時、男を殺したであろう者が地面へ降りてきた。
ホッケーマスクに黒いマント。そして青髪
男は口を開いた。
「おい、そこのお前。」
「ぎゃあ人違いです!許してください!」
「いや、後ろ見ろよ後ろ」
一瞬、脳裏で「志村ァ、後ろ後ろ!!」と聞こえてしまったが
言われるがままに振り向いてみた時に理解した。
いや、完全に振り向くよりも先に理解した
「そういえば追われているんだったー!!」
男の顔は殺意に満ちている。
今度こそは危ないと思ったのだが
「よくも連れをやってくれたなー(棒読み)」
「(しかも怒ってそうで怒ってねぇ!!!)」
仮面の男が犯罪者に問いただした。
「あんたは何でまた彼を追っていたんだい?彼の方が被害者のようだけど」
「(女なんですが)」
「・・・・話の内容を誰かに聞かれたら困るからだ。」
「で、どんな話の内容でしたっけ?」
「最近噂になっているC4と言う兵器についてそこのアホ面(死体)とその話をしていた。そこにあんたが通った。
聞かれると大騒ぎなので殺そうと思った。今は反省している」
その話を聞いた瞬間、仮面の男は明らかに動揺し始めた。
「おいボブ、それが何なのか知ってて探してんのか!?」
「知らんよ、別に見つけた瞬間死ぬわけでもないだろうし。この辺一帯が爆発するのか?後ボブって誰だ」
すると仮面の男は、ボブ(決定?)の頭をガッと掴み、コーホー言いながら話し始めた。
「いいか、ボブのおっさん。空気を読んで考えるんだ。」
「ハァッ!?」
「(コーホー)頭蓋骨を真っ二つに(コーホー)出来るような人間が(コーホー)驚いてるんだぞ?」
「ちょ、待て、骨折れるって!頭割れるって!てかコーホーうるさい!」
「で、C4って何か説明してくれない?」
ルナが切り出した。
「C4は限りなく人に近いアンドロイド。しかもその正体は大量殺戮兵器。」
「げぇっ何それ!?」
「お前たちもマツシバロボットは知っているだろう?」
「そりゃあ、ロボットと言えばあそこしかないけど・・・。」
「あそこのロボットの不良品の連中を大量に買い取っている大企業がいる。」
するとボブが口を開いた
「アル・フィーア社だな。薬品とか医療関係の機器を扱ってる。でも、あの企業は本社で起こった大規模な事故で倒産したはずだが」
「そうだ、そこで開発された。」
仮面の男は静かに言った。
「さっきも言ったとおり。表側は医療機器関係、だが裏側は軍事兵器の開発を行ってる。」
男はなおも話を続ける。
「C4はその成長過程で。人間のように成長していくタイプだ」
「恐ろしい話だが、ロボットを無理やり分解して骨格部品のみにする。そこに人工的に生み出した細胞で完全に人間の形にしてしまう」
「そして、その材料が『ネコ型ロボット』なんだ。」
そしてそこで男は一瞬黙りこんで、その後話した。
「そして、彼らには特殊な能力が備わっている。」
「自らのナンバーである英単語を現実、具現化する能力を」
「まぁ普通の動きも人知離れだ。俺でもいつ殺されるかわからん。」
「人一人真っ二つにしといてそんなこと言うな!一般市民の俺としては関わりたくないが」
ボブが悲鳴をあげる
その時、3人の耳にグジュ・・・・グチャ・・というあらかさまに不快な音が聞こえた。
その時、ルナが叫んだ。
「志村ァ、後ろ後ろ!!」
男二人が振り向いたその視線の先には
シルクハットに黒いコートと言う格好をした人間が、ビルの2階ぐらいの高さに浮いていた。
その周りには大きな岩のようなものがたくさん浮いている
「これはもう・・流石にもうだめぽ。」
ボブが情けない声で言う。
「諦めたら、そこで試合終了だよ。」
「いっとる場合か!!!!」
ルナが叫ぶ
「ひとまず、逃げるぞ。」
二人が「どうやって?」と言う前に、仮面の男は二人を掴んだ。
そしてその瞬間、その場から消えた。
「っと、80mぐらい飛んだかな?」
「(何が『俺でも殺される』だーー!!(泣)」
と、二人は心の中で叫んだ。
「それより、説明してくれないか?あんたの正体を」
ボブが痺れを切らしていった。
「そうだな・・・・もう隠すわけにもいくまい。」
そう言うと、男は自らの仮面を取った。
その素顔を見て二人は驚いた。
二人の想像よりも若くて、男と言うより少年に近かった。
そして、何よりも青くボサボサの髪からはみ出した人間とは違う獣の耳
「俺は・・・・W6。脱走した試作品だ」
第二話 朧(おぼろ)げな迷宮
二人とも口をあんぐりと開けて突っ立ていた。
それもそうだ。散々『危険』だの『関わるな』と言っていた本人がその対象だったのだ。
ルナはとても信用できなかったが。『彼』の姿を見れば、信じざるを得ない
『彼』の髪と同じ色をした。獣的で、機械的な青い耳
首についている。鈴付きの首輪のようなもの。いや、こういう趣味の人もいる訳だがwww
彼の腕の脈の部分を目を凝らして見てみると。腕の中に通されたコードのような物が見える。
まさしく、『ネコ型ロボット』のそれだ。
「はぁ・・・まさかなぁ・・。」
ルナは深いため息をつくと同時に思考を巡らせ始めた。
脱走機W6は私たちに「あの兵器に関わるな」と言ってきた。
じゃあ何故、W6は 私たちにあくまで親密にしてきたのだろう?もしや演技で・・・。
そこまで考えて、ルナはあっ、と声を出した。
「『脱走機』だからじゃん・・・・。」
こんなこと、小学生でもすぐ分かるだろう。
ルナは自分の理解能力に少し落ち込んだ。
「寒い、おうち帰りたい。」
死にかけのETのような声でルナが言う。
「そうだな・・・そろそろ移動しよう。深夜だしな」
ボブが左手の腕時計に目をやりながら言う。針は既に十二時を切っていた。
「じゃあ、彼を自宅に・・・・。」
「(女だと何度言えば)」
W6も理解能力が低いようだ。脱走機じゃなくて失敗機の間違いじゃね?と思うルナだった
第三話 躍動と追憶
「・・・・そろそろ詳細を話してくれ」
移動手段を得るために、キックボードとジンジャーを拝借もといパクった
その移動中にボブが口を開いた。
「異常な身体能力。C4や実験体についての詳細。アル・フィーア社の裏の顔。なんで知っている?」
「それは脱走機―――――」
「脱走機であっても、そこまで明確に情報を知っているか?」
確かにそうだ。とルナは思った。
「大体、どうやって脱走したんだ?誰に手引きしてもらった?」
すると、W6は口を開いた(仮面をしてるので分からないが)
「・・・・ある一人の研究員が、十三人の怪物を作った。十三人目のネームはD13」
※ここからは、語り調になりますがなんら問題はございません。多分
D13は全てを否定する能力。DO.NTを手に入れた。
D13は特殊能力を持っていた自分のナンバーと同じ単語を覚え、四次元的に再現、具現、実現する能力
それはまさしく恐怖の能力であった。DO.NTという単語は何だろうと「否定」するのだ。
D13は研究員の「操作」を「納得」「勝手」と変えてしまった
マニュアル セミオート オート
デリート
研究員たちは「削除」された。文字通り。欠片もなく。
だがその時既に研究員達は残りの十二人に能力を追加
「単語の頭文字ナンバーが一致する時、具現される」
全員にD13を倒すよう命令して。
結果、全員がセミオートになってしまった。
その理由は、「気力が無い」からだ。
能力も上手く扱えず、勝目のないD13はすでにいなかった。
目的がいない…。生きる理由がなかったんだろう。
そんな糸の切れた人形たちを、アル・フィーア社は喜んで捕まえた。
彼等を捕まえ研究し、14人目のМ14を作った。
12人の抜け殻を踏まえ「精神」と「礼儀作法」をメインに。
マインド マナー
だが彼には「感情」があった。入ってしまった。
政府は自我を持ってしまった物が逃げるとは考えなかった。
М14は6人目のW6にマナーを教えていたからだ。
「知恵の無い人形には無理では?」と研究員が呟く。
ウィズダム
その言葉が聞こえた瞬間。W6は「知恵」を得た。
М14はこれを待っていたのか、オートになった。
もともと感情があったのだ。自我が在ってもおかしくない。
W6は知恵を振り絞り、研究員達とのアンテナを破壊した。
これにより二人は操られずに脱走に成功する。
新しい世界。二人は人間の知識をとりいれ、生活した。
だが忌々しいアル・フィーアが17人目、V17を作り、二人を殺すよう指示。
しかし赤子では大人に勝てなく、V17を返り討ちに。
マスク
その時、М14は新しい能力に目覚めた。 「仮面」である。
V17の力を奪い、被るとその単語が使える仮面を作った。
この、「同じナンバーの具現能力」の使い方を学んだ。
他のナンバーも仮面にしよう。数日後、彼は監禁されていたアル・フィーア支社に行った。
V17の単語、吸血鬼(Vampire)は最強だった。
パワー、移動スピード。瞬間的判断力。全てが凄まじかった。
その後、研究員達の報告書を手にし、逃げ出した。
その報告書には「全員に感情をいれてみる」と書かれ、
それを見て喜んだ。だが次の文章にそれは砕かれた。
「試しにC4に感情を入れたが、攻撃的だ。」と。
「俺は悲しくなったよ。感情全てがいいことではない。」
そしてW6は、ダンマリとした。
だが、ダンマリしている暇もすぐ終わった。
突然W6は頬に膝蹴りを喰らわされ、よろける。
W6の視界に映るシルクハット、C4だ。
そのままWは吹き飛ばされ、ゴロゴロ転がったあげく
ズザーと音をたててヤムチャのようなポーズで吹き飛ばされた。
C4はスタッ、と着陸したのち口を開いた
「こんばんは、紳士淑女の皆さん・・・。初めまして、C4っていいます。」
この話は続きます。