いせやんさん 作

 

 今から遡ること四年、2002年10月4日に日本中のドラえもんファンに衝撃がはしりました。ドラえもんのオープニングテーマが10

年近くオープニングであり続けた山野さと子版から突如ロック調の東京プリン版に変更されたからです。
これを期にドラえもんソングは混迷の一途をたどります。この後「ドラえもんのうた」は渡辺美里版、AJI版と続きリニューアル後は
女子十二楽坊版と一度も定着したものが生まれることなく「ハグしちゃお」へと引き継がれます。エンディングに眼を向ければゆずの
「またあえる日まで」、「タンポポの詩」(THEALFEE)と続き島谷ひとみの「YUME日和」、そしてWの「あぁいいな!」をもって
基本的にエンディングはこれ以降廃止されています。映画に眼を向ければ武田鉄矢氏がエンディングを担当しないようになって以
来これといった名曲が生まれる事は無く、「ふしぎ風使い」以降はアニメのエンディングをそのまま映画主題歌に流用するようになり、唯一今年
公開された「ボクノート」がファンに一定の評価を得るにとどまっています。
そして2005年10月21日、「ドラえもんのうた」がついにオープニングから姿を消し、「ハグしちゃお」へと変更されました。これに伴
い「のび太の恐竜2006」では「ドラえもんのうた」がが使われることはありませんでした。


近年のドラえもんに対して否定的なファンからも一定の評価を得た映画「のび太の恐竜2006」ですが、旧来のファンから最も
問題視されたのがドラえもんのうたを使用しなかった事です。このように近年の「ドラソング」はアニメ本編以上に苦戦しているといえます。
 
では一体、どうして近年のドラソングはファンの間から評価が低いのでしょうか。
 
新作擁護派、として片付けられたくないのでここで言っておくと自分は「ハグしちゃお」より「ドラえもんのうた」の方がオープニングに
適していると思っています。また、エンディングでは「ぼくドラえもん2112」が一番馴染みがありますし、映画主題歌に目を向ければ
「少年期」と「私の中の銀河」が2トップだと思っています。
ここでは「ドラえもんのうた」と「ハグしちゃお」、「あぁ いいな!」と「少年期」を例にとっ考えていくことにします。
まず、近年のドラソングに対してよくなされる代表的な批判に「歌詞がドラえもんにあっていない」と言うものがあります。この批判は「ハグしちゃお」にもよく向けられています。
しかし、この批判は「ドラえもんの歌」にも適応できるのではないでしょうか? ここでは、あえて近年のドラソングに対する批判をドラえもんの歌にあてはめてみたいと思います。
「こんなこといいな、できたらいいな、あんな夢こんな夢いっぱい有るけど」
この歌の冒頭部分を聞いて一つの大きな疑問が浮びます。この歌の作詞を担当した菊池氏はドラえもんの内容を知っていたのでしょうか? 
のび太がドラえもんに頼む事と言えば宿題を何とかして欲しい、ジャイアンに仕返ししたい、などと言ったささやかなものがほとんどです。
決して歌われているような欲求不満のかたまりではないのは明らかです。 
続いての
「みんな、みんな、みんな、叶えてくれる」
の歌詞ですが、ここまでひどいと正直言って言葉もありません。ドラえもんの道具はここに歌われるような魔法の道具のようなものではありません。
そこが「S=少し、F=不思議なSF」と呼ばれるドラえもんの魅力なのではないでしょうか。
 
どうでしょう。
貴方はこの批判に理論的な反論ができますか?


「少年期」と「アアいいな」にしても似たようなものです。「アアいいな」がドラえもんとは程遠いよく分からないナマズと女の子の話
だと思えば「少年期」は作詞者の武田鉄矢氏の身の上話です。両者の決定的差といえば、文章として理解不能な「アアいいな」
に対して「少年期」は文章として理解できるということでしょうか。単に歌としてみるなばこれは大きな差でしょうがこれがドラソング
としてみたからこその差とは思えません。
しかし、最初にも言ったようにやはり「少年期」は「ドラえもんのび太の宇宙小戦争」にはなくてはならない曲であり、
「ドラえもんの歌」がオープニングにないことをさびしく思うのも確かです。


では結局ドラえもんにあった歌とはどの様な歌なのでしょうか。正直言って、結論は出ないと思います。強いていうなれば
「なんとなく雰囲気があっている歌」とでも言ったところでしょうか。


「ただなんとなく」このことは案外大切な事ではないでしょうか。何も理論的に考える必要などなく、ただドラえもんを盛り上げてくれる曲を
素直に喜んでいた方がドラえもんは楽しめるのではないでしょうか。

 

感想
 いつも毎度送ってありがとうございます。私が思うに、ドラえもんに合った歌とは、一つと決まった歌ではなく、
みんな(小さい子、大人、お年より、そしてもちろんドラえもんファンも聞いてていいもの、しかしそれは不確定要素
で、固定したものではないと思います。
 やはり長い間見ていると、歌は前のほうがいい、それに乗じて、『大山復活!やめろわさドラ』とこじつけている人
がいるのも事実です。でも、こんなこと、作者の藤子・F・不二雄先生が喜ぶとはとても思えません。
東京プリンの歌だったり、Wのあぁいいな!に変えたのは、少しでも人々の気をひいて、ドラえもんを見て
ほしかったんだと思います。それでも視聴率が伸び悩んだので、夏川りみさんの『ハグしちゃお♪』をオープニング
に設定したと、私は考えます。
 リニューアルして、ドラえもんファンは分裂してしまいましたが、それは藤子プロでも小学館でもシンエイ動画でも
水田わさびさんでもなくて、自分達が受け入れようとしなかったからです。
  私はドラえもんが好きです。立ち読みでドラえもんを読破しましたし、アニメも大好きです。
  歌。歌は、藤子プロが決めるのです。私たちは、いがみ合うよりも、新しいドラえもんは絵は確かに変わったけど
話は、前のお話のリメイクだけど、面白いんだぞ、と広めるのが先だと思います。
ドラえもんの歌が無くてもあってもドラえもんはドラえもんです。   将来、どんな歌でも聴いたら、子供の頃が甦る歌が、真のドラえもんの役目だと思います。
  (これはあくまでも私の理論です。)

 

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