ドラえもんにはどうして、安定した人気を持った

 のか? (いせやんさん 製作 5/5 2006)

 

 

ドラえもんという作品が誕生して35年以上、もうすぐ40年も迫ってきます。多くの人々がこの作品に親しみ、様々な形で研究もなされてきました。25作もの映画も公開され、今年からは新シリーズもスタートしました。

しかしここで一つ気になることがあります。この作品には著しい人気低迷の時期がないのです。


この作品が世間に広く認知され大きな人気を集めだしたのは1974年のコミックス発売以降です。その後第二次アニメがスタートし、今日の大人気に至ります。

では、この74年に世間がドラえもんを受け入れる何か特別な要素があったのでしょうか。

例えば昨年大ヒットした「亡国のイージス」が始めて世に出たのは実は99年のことなのです。その後憲法九条改正が議論の的になり、一方では北朝鮮による拉致事件が発覚、更には近隣諸国による経済専管水域や領海の侵犯が問題となるなど国民一人ひとりが「国防」というものを真剣に考えるきっかけが一気に押し寄せてきました。時を同じくして2000年から東宝の怪獣映画「ゴジラ」のシリーズが再開して自衛隊が映画に協力する機会が増加しました。
これらの要因が重なって「よく見ろ日本人、これが戦争だ」というメッセージを持った「亡国のイージス」は海上、航空自衛隊の前面協力を得て銀幕に姿を現し、大ヒットをおさめたのです。

一方ドラえもんにはそのような要因があったわけではありません。「亡国のイージス」時代の流れがきっかけでその実力が認知されたのに対し、連載が長く続いて安定もしてきたので単行本を出版するというマンガとしては実に一般的である意味平凡な理由でその実力が認知されたのです。

つまりこのマンガは常に社会から求められ、その需要が常に安定しているということではないでしょうか。

自分は、その需要というのがマンガ入門書としてのドラえもんではないかと思います。入門書といっても各側にとっての入門書ではなく読む側にとっての入門書です。

ドラえもんの基本は作者自身が言うように生活ギャグマンガです。しかし、ドラえもんには様々なマンガの要素が含まれています。

未来の世界からやってきたロボットという設定そのものに代表されるSFとしてのドラえもん。静香ちゃんとのび太、出木杉の三つ巴の関係は多くの恋愛ストーリーの基本形を最も簡略化したものではないでしょうか。大長編での「普通の小学生ながらに勇気を振り絞り仲間と協力する」いつものメンバーは冒険マンガのヒーロー、ヒロインと読者の中間的存在といえます。また、「ラジコン大海戦」などの作品は戦争を描いたマンガとして有名な「ジパング」や「沈黙の艦隊」のスケールを小さくしたような作品です。

ドラえもんを幼稚だといって笑う中学生のいったい何%がドラえもんを最初から見ていなかったのでしょうか。そういう多くの中高生や大人たちがドラえもんからマンガに入っていったのも事実でしょう。

様々な要素を持ち、更に吸収できることが自分達の愛してやまない「ドラえもん」の大きな魅力ではないでしょうか。

感想

真面目なものなので、管理人も真面目に答えます(笑)。
 確かに、年々にドラえもんがよく見られていないと思います。アニメのリニューアルも重なり、大変なことになっています。しかし、やっぱりドラえもんはなくてはならないものだと思います。特に、この現代に限って。
 ドラえもんという話を通して、きっと勉強だけじゃ分からないこともあると思います。
 だから、今、批判や軽視を受けても、アニメは途絶えることなく続いているんだとおもうのです。この作品を呼んで、とても考えさせられました。
 ドラえもんが今後も続き、もっといいものになっていくことを願っています。

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